
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 中小企業診断士の資格登録のルール
- 中小企業診断士に登録しないメリット
- 中小企業診断士に登録しないデメリット
- 忙しくても登録要件を満たす方法
本記事の信頼性
本記事は、約200時間の学習で中小企業診断士試験にストレート合格した中小企業診断士が執筆しています。筆者の勉強法は企業経営の専門誌「月刊 企業診断」(2021年12月号)でも紹介されています。

月刊 企業診断(2021年12月号)より抜粋
結論からいうと、試験に合格したなら、登録はしておくべきです。
この記事を読めば、登録をしておくべき理由がよく分かりますよ。
もくじ
中小企業診断士の資格登録のルール
まず、中小企業診断士の資格登録を行うまでのルールから確認していきましょう。
中小企業診断士の資格登録を行うには、二次試験に合格した後、3年以内に以下どちらかの要件を満たして、登録申請を行う必要があります。
- 実務補習
- 実務従事
それぞれについて解説します。
①実務補習
実務補習とは、数人でチームを組み、実際のコンサルティング業(中小企業に対する助言・診断)に取り組むという研修です。
5日間×3企業=計15日間で参加すれば登録要件を満たします。(1日で1ポイントもらえる「実務ポイント」を15点集める必要がある)
大半の合格者は実務補習で登録要件を満たします。
②実務従事
一方、実務従事とは、コンサルティング業に従事している証明書を、今の勤務先などから発行してもらう制度です。
こちらも15日以上のコンサルティング業への従事を証明できれば登録要件を満たします。
実務従事は、すでにコンサルティング会社やシンクタンクで働いている人向けの仕組みです。
注意ポイント
登録は合格から3年以内に行う必要があります。
登録せずに3年以上が過ぎると「試験には合格したけど中小企業診断士にはなれない」という、なんとも中途半端な状態になってしまいます。
中小企業診断士の資格登録のルールをおさらいしました。
次の章からは、中小企業診断士に登録しないことによるメリット・デメリットを見ていきます。
中小企業診断士に登録しないメリット
登録にかかる費用をおさえられる
中小企業診断士に登録しないことによるメリットは1つ。
それは「費用をおさえられること」です。
先ほど紹介した「実務補習」を受けて登録する場合、約15万円の費用がかかります。
決して安いお金ではありませんね。
こうした費用を押さえられる点は、登録をしないメリットと言えるでしょう。
逆に言えば、メリットはそれだけです。
中小企業診断士に登録しないデメリット
一方、デメリットはどうでしょうか。こちらは大きく2つのデメリットがあります。
①中小企業診断士を名乗れない
資格登録をしていないわけですから、中小企業診断士を名乗ることはできません。
名乗ることはできないということは、以下のような行為もNGになるということです。
- 名刺に「中小企業診断士」と書く
- 履歴書に「中小企業診断士」と書く(※「中小企業診断士(試験合格)」と書くのは問題無し)
- 面接で「中小企業診断士を持ってます」と言う
- 「中小企業診断士」としてブログを執筆する
「試験に合格した人」と「資格登録まで行った人」は明確に異なります。
これらの行為は全て違法になるので注意が必要です。
転職には有利?
中小企業診断士は、転職に有利な資格です。企業の経営企画部門やコンサルティング会社などへの就職の可能性が広がります。
ただ、これは「資格登録をしている場合」の話です。
転職活動への効果を期待するなら、資格登録はしておく方が良いでしょう。
②名乗りたい場合は一次試験からやり直しになる
仮に、3年を経過して登録申請ができなくなった後、「やっぱり中小企業診断士を名乗りたい!」となったらどうなるでしょうか。
この場合は、一次試験からやりなおさなければなりません。
「過去に中小企業診断士試験に合格した事実」は生きているのですが、3年を経過したことで申請の権利を失っています。
ということで、再度、一次試験→二次試験に合格して、登録申請の権利を獲得しないといけないのです。
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以上、中小企業診断士の資格登録をしないことによるメリット・デメリットでした。
デメリットが非常に大きいので、よほどの事情が無い限り、試験合格後になるべく早く資格登録を行うことをおすすめします。
忙しくても登録要件を満たす方法
この記事を読んでいる人の中には、

という人もいると思います。
実務補習は基本平日に行われます。
そのため、休暇が取れない環境の人だと、3年で15日間も休むのは難しいかもしれません。
そんな人には、ネットで実務従事の仕事を探すことをおすすめします。
民間企業や個人のコンサル会社などが、実務従事の対象になる仕事を募集しているケースがあります。
ネットで探せる実務従事の仕事
これなら、土休日などのスキマ時間で実務従事のポイントを稼ぐことができます。
実際、仕事が忙しかったり、実務補習の参加が難しい地域にお住まいの方でも、ネットで実務従事対象の仕事を見つけて診断士登録をしている人が多くいます。
まとめ:せっかく合格したなら登録するのが絶対おすすめ
今回は、中小企業診断士に登録しない選択肢について紹介しました。
最後に、本記事の内容をまとめたいと思います。
- 中小企業診断士試験に合格したなら、資格登録はしておくべき
- 資格登録をしないと、中小企業診断士とは名乗れない
- 合格から3年経つと登録はできなくなる、その後登録したくなったら一次試験からやり直し
- 忙しい人でも、ネット実務従事の案件を探せば、登録要件を満たせる
今回は以上です。