
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
・中小企業診断士の需要は高まる【強み/機会】
・でも稼ぐのは大変【弱み/脅威】
・診断士で稼ぐコツ3つ
・中小企業診断士に合格できる勉強法
本記事の信頼性
本記事は、約200時間の学習で中小企業診断士試験にストレート合格した中小企業診断士が執筆しています。筆者の勉強法は企業経営の専門誌「月刊 企業診断」(2021年12月号)でも紹介されています。

月刊 企業診断(2021年12月号)より抜粋
結論からいうと、中小企業診断士の需要は高まります。稼ぐのは大変ですが、目指す価値はある資格です。この記事を読めば、その理由がよく分かります。
中小企業診断士を目指すか悩んでいる人に役立つ情報が満載なので、ぜひ最後まで読んでください。
前置きはこの辺にして、早速お話ししてきます!
もくじ
中小企業診断士の需要が高まる理由3つ【強み/機会】
中小企業診断士の需要は今後も高まります。
その理由は以下の3つ。中小企業診断士らしく?SWOT分析の「強み」や「機会」に着目して考えてみましょう。
理由①:コロナ禍で経営に行き詰る企業が増えている
理由②:国が中小企業診断士を増やそうとしている
理由③:経営に関する課題が多様化している
理由①:コロナ禍で経営に行き詰る企業が増えている
ご存じのとおり、新型コロナウィルスの感染拡大以降、経営不振に陥る中小企業が増加しています。
もちろんこれは良いことではありませんが、中小企業診断士の力がより求められるようになっているのも事実です。
実際、全国各地の「経営相談窓口」には中小企業からの相談が殺到していまして、今では土日・祝日も開放される窓口が増えました。
こういう窓口対応も中小企業診断士の仕事ですから、その需要は高まると言えますね。
理由②:国が中小企業診断士を増やそうとしている
国も、中小企業診断士を増やそうとしています。主な理由は、先ほどもあげた「中小企業を支援する人材の増強」です。
実際に、最近では中小企業診断士を増やすために以下のような取り組みが行われてます。
・試験の難易度を下げ、合格しやすくする
・1次試験までしか合格してない人にも肩書を与える
これらの取り組みをくわしく知りたい人は、以下2記事をご覧ください。ていねいに解説しています。
理由③:経営に関する課題が多様化している
昨今、経営に関する課題は多様化しています。ここ数年だと以下のようなテーマがトピックですね。
・アフターコロナの経営戦略策定
・テレワークの導入・拡大
・事業承継(M&A含む)
・SDGs起点の経営
・DXの推進
こうした新しい経営課題は毎年のように生まれています。企業の経営課題を解決する立場である中小企業診断士としては、「経営課題の多様化」=「診断士としての事業機会拡大」を意味します。
独占業務がないことがネガティブにとらえられがちな中小企業診断士ですが、逆に言えば流行にのっかってどんな仕事でもできる点が強みだとも考えられるわけです。
ここまで、中小企業診断士の需要が高まる理由をお話ししました。
「需要が高まるなら、今診断士になれば稼げるのでは?」と思いたいところですが、そう単純な話でもありません。
次の章では「需要が高まっても稼ぐの大変な理由」について語っていきます。
需要が高まっても稼ぐのは大変な理由5つ【弱み/脅威】
中小企業診断士の需要が高まっても、中小企業診断士で稼ぐのは大変です。その理由は以下5つ。今度は「弱み」「脅威」の観点から考えてみましょう。
理由①:他の士業との競争が激化する
理由②:供給(受験者数)も増えている
理由③:公的機関の仕事は単価が低い
理由④:経営の相談相手としての認知度が低い
理由⑤:ゼネラリストはビジネスの現場での価値が低い
理由①:他の士業との競争が激化する
税理士や社労士など、他の士業との競争が激化します。なぜなら、税理士や社労士はAIによる代替の脅威にさらされているから。
日本経済新聞が2017年に発表した「AIに代替される可能性のある士業」の調査によると、税理士や社労士の仕事はAIによる代替可能性が非常に高いとのこと。
確かに、帳簿書類作成などの定型業務はAIへシフトしてくる可能性が高いです。こうした流れを受けて、生き残りのためにコンサルティング業に進出する税理士・社労士が増えています。
中小企業診断士としては競合が増えるわけですね。ポーターの5Fでいうと「新規参入者の脅威」です。
理由②:供給(診断士の数)も増えている
当然ですが、毎年新しい中小企業診断士が誕生しています。だいたい年に1,000人くらい。
やめる人はそんなにいませんから、中小企業診断士全体の数も増えるわけです。単純な話ですが、需要とともに供給も増えているってことですね。
理由③:公的機関の仕事は単価が低い
商工会議所などの公的機関の仕事は、民間企業相手のコンサルティングと比べて単価が低いです。
前述のとおり「経営相談窓口」での活躍の場は広がっているんですが、ぶっちゃけそこまで稼げません。日当2万円くらいが相場です。
相当な数をこなさないと「稼げる」と言えるレベルには達しないというのが現実でしょう。
参考:中小企業診断士活動状況アンケート調査(中小企業診断協会)
理由④:経営の相談相手としての認知度が低い
悲しい話ですが、中小企業診断士は経営者からの認知がまだまだ低いです。
下図は2020年度「小規模企業白書」の一節です。
経営者の相談相手
画像出所:2020年度小規模企業白書(中小企業庁)
中小企業診断士は「税理士・公認会計士以外の士業・コンサルタント」に含まれますが、ここを相談相手にしている経営者は20~30%ほどしかいません。
専門家としての認知は税理士や公認会計士には遠く及ばないというのが現実です。
理由⑤:ゼネラリストはビジネスの現場での価値が低い
中小企業診断士のようなゼネラリスト(何でも屋さん)は、ビジネスの現場での価値が低いです。
なぜなら、経営課題の解決では「広く浅く」よりも「狭く深い」知識の方が圧倒的に役立つから。
たとえば、「自社の和菓子の売上をECで拡大したい」と考えている企業に対し、以下の2者が提案してきたとしましょう。
【Aさん】
経営全般の知識があります。マーケティングに関する知識も、中小企業診断士試験や実務補習で学び豊富ですよ。
【Bさん】
食品ECに特化したコンサルティングを行っています。商品開発からコンテンツ制作、ECモール上のSEO対策まで一貫してサポートできます。和菓子分野でも多数のクライアントを支援した実績があります。
あなたが経営者だとしてどちらに発注しますか?
おそらく全員がBさんに発注するでしょう。分かりやすい例として食品ECをあげましたが、どんな分野でも同じです。経営コンサルタントは、特定分野に特化したスペシャリストの方が仕事をもらいやすいのです。
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以上、中小企業診断士で稼ぐのは大変だというお話でした。でも、工夫次第ではきちんと稼ぐことはできます。実際に独立して1,000万円以上稼いでいる人もたくさんいますよ。
次の章では、中小企業診断士が稼ぐコツをお話しします。
中小企業診断士が稼ぐコツ
結論、以下3つが稼ぐコツです。
- コンサルスキルを磨く
- 副収入を多数用意する
- 成長分野でポジションを取る
①:コンサルスキルを磨く
当たり前ですが、経営コンサルタントですからコンサルティングスキルを磨かなければなりません。
とくに、コンサル未経験の診断士には「アウトプットする能力」が低い人が多いです。
いくらクライアントの経営をサポートしたい!という情熱があっても、あなたが考えているアイデアが伝わらなければ意味がありません。
まずは、コンサルティングスキルを磨きましょう。コンサルティングの基本を学ぶには、以下の書籍がおすすめですよ。
基本的なスキル・マインド
提案書の作り方
Excelの集計・分析スキル
スライド作成の基本

②:副収入を多数用意する
中小企業診断士で稼ぐなら、副収入も多めに用意しておきましょう。なぜなら、コンサル業は安定しないから。
毎年必ず会計監査や納税業務などで接点がつくれる公認会計士・税理士と違い、経営コンサルタントは常に必要な存在ではありません。
急に仕事が減り、収入が激減することだってよくあります。そういう事態に備え、仕事の幅は広げていた方が良いです。
くわしく知りたい人は、中小企業診断士におすすめの副業7選をどうぞ。診断士のスキルが活かせる副業を厳選して紹介しています。

③:成長分野でポジションを取る
成長分野でポジションを取りましょう。たとえば以下のようなイメージ。
・SDGsコンサルタント
・テレワーク化の専門家
・中小企業のDX推進のプロ
なんだかどれもうさんくささはありますが、コンサルタントの世界は「名乗ったもん勝ち」です。
これからトレンドになりそうなテーマを人より早く学び、専門家としてのポジションを獲得してしまう。これが中小企業診断士で稼ぐコツです。先行者利益は大きいんです。
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以上、工夫次第では中小企業診断士でも稼げますよというお話しでした。
ハードルは高いですが、うまくポジションを作って稼いでいる人も多いです。中小企業の支援は社会的意義も高い仕事ですし、中小企業診断士を目指す価値は十分にありますよ。
前述の通り、試験の難易度も下がってきています。ぶっちゃけ、今が勉強のはじめどきですよ。
ということで、次の章では中小企業診断士に合格できる勉強法についてお話しします。
【前提】
中小企業診断士に完全な独学で合格するのは無理です。費用対効果が悪すぎます。ぼくも2回挫折しました笑
中小企業診断士に合格できる勉強法とは
中小企業診断士の勉強法には「通信講座」と「予備校通学」がありますが、結論から言うと通信講座がおすすめです。なぜなら、費用も安く勉強の効率も良いから。
実際、中小企業診断士の主な勉強方法である「通信講座」と「予備校通学」を比較してみるとよくわかります。
比較観点 | 通信講座 | 予備校通学 |
費用 | 安い | 高い |
場所 | どこでも | 基本固定 |
時間 | いつでも | 基本固定 |
強制力 | なし | あり |
圧倒的に通信講座の方が勉強しやすいんですよ。費用が安いのはもちろん、場所や時間の制約がないことが大きい。
唯一の欠点は「強制力がないこと」なんですが、強制されないと勉強できないような人は、通信講座だろうが予備校だろうが受かりません。厳しい言いかたですが、これが現実。
逆に、覚悟を持ってチャレンジする人は、通信講座でも受かるんです。だったら、費用も安くて場所や時間にも拘束されない通信講座がいいよねって話です。
「通信講座って質が悪そう。合格率も低いのでは?」と思う人は、以下の記事を読んでください。実は通信講座のほうが合格率が高いという衝撃の事実がわかりますよ。
ちなみに、ぼくは通信講座のスタディングで勉強し、200時間で合格できました。合格できた理由や勉強のコツは以下2記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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スタディング中小企業診断士講座の評判は?【200時間で合格したぼくが徹底解説】
続きを見る
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【独学】中小企業診断士に200時間で合格した勉強法を完全公開
続きを見る
また、中小企業診断士のおもな通信講座を比較したランキングもご用意していますので、こちらもどうぞ。
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【2022年8月版】中小企業診断士のおすすめ通信講座3つを比較【現役の診断士が厳選】
続きを見る
まとめ
本記事では、中小企業診断士の需要についてお話ししました。最後に、記事の内容をまとめます。
中小企業診断士の需要が高まる理由3つ
理由①:コロナ禍で経営に行き詰る企業が増えている
理由②:国が中小企業診断士を増やそうとしている
理由③:経営に関する課題が多様化している
需要が高まっても稼ぐのは大変な理由5つ
理由①:他の士業との競争が激化する
理由②:供給(受験者数)も増えている
理由③:公的機関の仕事は単価が低い
理由④:経営の相談相手としての認知度が低い
理由⑤:ゼネラリストはビジネスの現場での価値が低い
中小企業診断士が稼ぐコツ3つ
①:コンサルスキルを磨く
②:副収入を多数用意する
③:成長分野でポジションを取る
中小企業診断士で稼ぐのは簡単ではありませんが、需要の拡大や試験の難易度低下は大きなチャンスです。
中小企業診断士に興味があったけど難しそうで踏み出せなかった人も、この好機を逃さず今から勉強することをおすすめします。
この記事で紹介した内容を踏まえて勉強すれば、きっと稼げる診断士になれますよ。
中小企業診断士を目指す意欲がわいた人は、200時間で合格した勉強法をご覧ください。ぼくのノウハウを結集しています。
今回は以上です。