- 中小企業診断士ってなくなるんですか?目指しているので不安です。
- 中小企業診断士の仕事って、将来はAIに奪われてしまうんですか?
こんな疑問に答えます。
2021年の夏ごろから、突然【中小企業診断士 なくなる】というキーワードが検索されるようになりました。2021年12月現在、月4,000回以上は検索されているようです。
なんでこんなに検索が増えているのかは知りませんが、ただのデマです。2021年現在、中小企業診断士がなくなるとか廃止になるなんて話はありません。
この記事では、上記のデマについて、現役の中小企業診断士がマジレスします。
「資格がなくなる」に関連して、最近では「○○の資格はAIに仕事を奪われる!価値がなくなる!」といった話題を耳にすることも増えていますね。このあたりについても、あわせてお話していきます。
本記事の信頼性
本記事は、約200時間の学習で中小企業診断士試験にストレート合格した中小企業診断士が執筆しています。筆者の勉強法は企業経営の専門誌「月刊 企業診断」(2021年12月号)でも紹介されています。

月刊 企業診断(2021年12月号)より抜粋
中小企業診断士がなくなる、廃止といった話はない
本記事の執筆時点(2021年12月)では、そんな話はありません。ネット上の適当なウワサ話を鵜呑みにしないようにしましょう。
中小企業診断士の制度に関する情報は、中小企業診断協会のホームページですべて公開されています。制度の動向が気になる人は、そちらをこまめにチェックしましょう。
そもそも、国家資格の士業をいきなり「来年度から廃止します!」なんて決められるわけないですよね。万が一、資格が今後廃止されるとしても、アナウンスから数年は暫定措置が取られると考えるのが普通でしょう。
ということで、中小企業診断士の資格はなくなりません。安心して勉強しましょう。以下記事で、200時間で合格した勉強法を完全公開しているので、ぜひ参考にしてください。
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【独学】中小企業診断士に200時間で合格した勉強法を完全公開
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中小企業診断士はAIに仕事を奪われにくい?
日本経済新聞が2017年に発表した「AIに代替される可能性のある士業」の調査によると、中小企業診断士はAIによって代替されにくい仕事とのことです。
ひょっとしたら上記の記事を読んで安心し、「それなら中小企業診断士を目指そうかな!」と思った人もいるかもしれませんが、危険です。
ぼくはこの新聞記事の表現は誤っていると思っていまして、正確には「経営コンサルタントはAIに代替されにくい」ではないかと。
企業の意思決定は「機械がこう言っているから」だけで行えるものではありません。必ず、人間味というかファジーな世界があります。だから、そこに寄りそう経営コンサルタントの仕事はなくならない。
ですが、べつに経営コンサルタントは中小企業診断士の独占業務ではありません。名乗ってしまえば、誰だって経営コンサルタントになれます。
現に、弁護士・公認会計士・税理士などの士業の「コンサル化」が進んでいます。経営者側としても、ただのコンサルタントより、法律・会計・税務などの専門知識をもちつつ、コンサルもできる人に頼りたいものでしょう。
つまり、ただ中小企業診断士を取っただけでは、上記のような「他の士業×コンサル」の人間に仕事を奪われる可能性が高いです。AIに代替されにくいからといって、安心してはいけません。
まとめ:自分の専門領域を作って「代替されにくい人材」になろう
記事の要点を整理します。
・「中小企業診断士がなくなる、廃止される」はただのデマ
・「中小企業診断士はAIに代替されにくい」は、よく聞く表現だが注意。他の士業のコンサル化が進んでおり、中小企業診断士が人間に仕事を奪われる可能性は高い。
AIにも人間にも仕事を奪われないためには、何かの領域のスペシャリストになる必要があります。
中小企業診断士は経営知識が幅広く問われる「ゼネラリスト的な資格」ですが、実際のコンサル業でゼネラリストは求められていません。経営全般の知識を持っているのは当たり前で、そこに何か1つ特化した知見があって、はじめて仕事をいただけます。
ぼくも中小企業診断士を取って独立するにあたり、「Webマーケティング、SEO対策」を専門領域に決めました。当サイトを運営しているのもその一環です。実際、独立して1年ほどで少しずつこれらの領域のお仕事を任せていただける機会も増えました。
これから中小企業診断士を目指す皆さまも、ただ試験合格だけを目指すのではなく、その後いかに「代替されにくい人材」になるかをイメージすることをおすすめします。
おわり。